昭和エロチカ
薔薇の貴婦人
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◆スタッフ◆
プロデューサー………村 井 良 雄
企 画………山 田 耕 大
脚 本………宮 下 教 雄
監 督………藤 井 克 彦
撮 影………安 藤 庄 平
照 明………木 村 誠 作
編 集………山 田 真 司
録 音………福 島 信 雅
美 術………柳 生 一 雄
助 監 督………浅 田 真 男
製作担当者………沖 野 晴 久
スチール………浅 石 靖
◆キャスト◆
絹 子………宮 井 えりな
淳 子………飛 鳥 裕 子
由 紀………麻 吹 淳 子
秋 本………市 村 博
北九条子爵………大河内 稔
小 池………坂 本 長 利
高 木………八 代 康 二
服 部………高 橋 明
水 野………溝 口 拳
啓 太………兼 松 隆
啓 次………小見山 玉 樹
◆解説◆
戦争の暗雲がうずまき始めた昭和初期、山奥の別荘にひっそりと暮す子爵夫妻。
そこへ妻・絹子の愛人が訪ねてきた。そこには異常な世界が待ちうけていた。すべてを語っていたのは五つの墓石だった…?…?。 泥々と、また粘っこいエロチシズムが定評の藤井克彦監督のSMタッチの異色ポルノ。
主演は、「愛欲の標的」で熱演したベテラン・宮井えりな。その他、飛鳥裕子、麻吹淳子、大河内稔、高椅明らが共演する。
◆ストーリー◆
戦争の暗雲が黒々とたちこめ始めてきた昭和初期。北九条子爵夫人の絹子は、愛人の画家・秋本と密会を重ねていた。
だが、ある日絹子は涙ながらに秋本への離別を告げたで。絹子は子爵とともに信州の別荘へ引きあげる事になった。二人はむさぼるように最後の抱擁にふけるのだった。秋本は絹子を愛撫するうち驚くべき事に気づいた。何と絹子の股間の黒々としたものが剃られていた。絹子は秋本の熟い視線に、羞恥心をのりこえ、快感すら憶えはじめていた。やがて絹子は信州へと旅立っていった。
静かにたたずむ山奥の別荘での生活に、絹子の表情は生気を失っていた。子爵の人形と同じだった。
ある日、秋本が絹子を求めて東京から別荘を訪ねてきた。別荘へ行く途中、秋本は道端にたたずむ五つの墓石に気がついた。突然、三頭の馬に襲われた。一頭にはナチスの軍服に身を固めた男装の麗人・若月涼子、あとの二人は涼子にかしずく啓太・啓次の兄弟だった。秋本は夢中で別荘へ逃げこんだ。
秋本は子爵へ絹子を譲ってほしいと申し入れた。子爵は、すべてを見抜いていたように平然と反対するのだった。
案の定、絹子は秋本にすり寄って、物差しを取り、白桃のようにまろやかな尻をだし、叩くように哀願するのだった。最初は躊躇していた秋本だったが、興奮は抑えきれず、背後から責めるのだった。
客間には、秋本を襲った涼子達がきていた。
涼子にかしずく啓太兄弟はまるで奴隷のようだった。ベットの上では・全裸の涼子を二人で愛撫する姿は、女王蟻に奉仕する働き蟻のようだった。
情事の余韻をさますため風呂に入った涼子は突然何者かに襲われ気絶してしまった。
やがて医師の高木と看護婦の由紀がかけつけた。その後、サイドカーで憲兵隊の服部と水野がスパイ探索のため現われた。服部は看護婦の由紀に好色そうな視線を向けた。探索と称し、服部は部屋を調べまわり、由紀に襲いかかり犯した。
一方、応接ホールでは、絹子がダイヤの指輪が盗まれたと騒ぎだした。一同騒然の中、執事の小池は由紀が犯人と名指した。一同、由紀を取り押え、一枚、一枚裸にひんむいていった。調査はエスカレートし、女の秘所へ石鹸水をうちこんだ。案の定、由起子は苦しもがく中、黄色い液体を…。
放心状態で風呂につかる由紀を何者かが襲った。絹子である絹子は由起の黒々とした女の証を剃り落した。その様子を見てしまった秋本は、北日筋に寒いものを感じた。
子爵は告げた。絹子は大人の女になることを拒否し、女性の恥毛をそり落さずにはいられれい退行現象であると。絹子は常に幸福だった幼児時代に生きている。
秋本は、この異常な世界から逃げだそうと、憲兵隊のサイドカーに乗った。だが、車論がはずれ、秋本はサイドカーともども崖を転落していった。
一方、別荘では今まで起った事は計算づくのように子爵と小池は不気味な笑顔をかわすのだった。
そう、憲兵隊も涼子も由起も、金を払って芝居をさせた旅芸人の一座だったのだ。すべては秋本を、いや、あの五つの墓石は、絹子に近よろうとする男達を殺す、黒いワナだったのだ。
別荘では何事もなかったように子爵、小池、絹子が幸福そうに散歩をする姿があった。その道端には、六つめの墓石が立っていた。