最後のラブドール
私、大人のオモチャ止めました。

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◆スタッフ◆製作:(有)幻想配給社/提供:Xces Film/脚本:石川二郎/監督・脚本:友松直之/撮影:小山田勝治 /編集:酒井編集室/特殊造形:織田尚/助監督:安達守/スチール:山本千里/製作担当:池田勝/録音:シネキャビン/現像:東映ラボテック/
◆キャスト◆マリア:吉沢明歩/主婦:しじみ/O L:若林美保/女子高生:亜紗美/秋葉章太郎:原口大輔/城咲ジョージ:畠山寛/プロフェッサー植草:ホリケン/高円寺義之:野上正義
◆解説◆ 萌え萌えたっぷりのメイドロイドがエクセスのスクリーンに蘇る。
 大好評だった前作『老人とラブドール 私が初潮になった時』が更に、萌え度とエロ度をアップさせ『最後のラブドール 私、大人のオモチャ止めました』として復活致しました。
 今回のお話は、大学生の章太郎の元に突然送られて来たナゾ荷物。その中に入っていたのは何とメイドロイド。パンティをずらし、勃起したクリトリスを触ると動きだすメイドロイド。果たして、何の為に送られて来たのか?後は劇場でご確認下さい。
 監督は友松直之がお贈り致します。
◆ストーリー◆ モテないサエないイケてないの三重苦大学生、秋葉章太郎(原口大輔)のアパートに、先日謎の死を遂げたばかりの恩師、高円寺博士(野上正義)から宅配便が届く。それは章太郎が片想いする女子大生、西条綾香(吉沢明歩)にそっくりな等身大フィギュアだった。
 あまりの精巧さに章太郎はついスケベ心を発揮し、スカートをめくりパンティに手を差し入れた。そのとたん、フィギュア少女がむっくりと立ち上がっておじぎした。
「はじめまして、ご主人様。私はメイドロイド、マリアと申します。なんでもお言いつけくださいませ」
 マリア(吉沢明歩・二役)は高円寺博士が発明した、メイド型アンドロイドだったのだ。その起動スイッチは章太郎がさわってしまったクリトリスであり、メイドロイドは起動させた者をご主人様と認識してご奉仕する、と付属の取扱説明書には書かれていた。
 だが、料理をすれば消し炭じみたコゲ魚、掃除をすれば棚を倒して部屋中大混乱。取説によればドジッ娘プログラムだそうで、高円寺の妙なこだわりに章太郎は感心しつつも呆れた。また、入浴する章太郎の背中を流しながら、つい勃起してしまったことを察すると、マリアは早速フェラ奉仕をはじめる。童貞には強すぎる刺激だ。しかもアンドロイドの機能をいかした超高速ピストンで、あっと言う間に射精させられてしまうのだった。
 その頃世間では、イケメンに貢ぐために犯罪に走る女たちの事件が急増していた。イケメン消火器セールスマンに詐欺販売の手先にされるセックスレス主婦(しじみ)、イケメン課長に横領の片棒を担がされる負け犬OL(若林美保)、援助交際を強要される女子高生(亜紗美)。それらはすべて、悪の天才プロフェッサー植草(ホリケン。)がモテない生涯童貞のルサンチマンを晴らすために仕組んだことだった。彼はイケメンアンドロイド、ホストロイドに命じて女たちをおもちゃにすることで復讐し、さらに研究資金を調達する手段にしていたのだ。
 章太郎の大学にもホストロイドは潜入していた。イケメン助教授城崎ジョージ(畠山寛)は、よりにもよって章太郎が片想いする綾香をとりこにし、風俗で働かせて貢がせていた。
 その事実を知って怒り心頭、ジョージに殴りかかる章太郎だったが、アンドロイドの鉄腕にかなうわけもなく、逆に殴り倒されてしまう。
「ご主人様を傷つける者は許しません! 」駆けつけたマリアが、戦闘モードでホストロイドに戦いを挑む。イケメン白い歯光線をフリフリエプロンシールドではね返し、ニャンニャン猫パンチで猛攻。女たちの性感神経を痺れさせるイケメンゴールドフィンガーの電撃に苦戦しながらも、必殺モエモエカチュ−シャソードで、ホストロイドの首をぶった斬った。だが、首だけになりながらの光線攻撃でマリアも負傷、機能停止してしまう。
 今は亡き恩師、高円寺博士の研究室にマリアを運び込んだ章太郎は、なんとか修理しようとこころみる。と、マリアが突然M字に開脚、その純白パンティから光が放たれ像を結んだ。高円寺自身のフォログラムダイイングメッセージだった。
 それによれば、プロフェッサー植草の甘言に乗せられてホストロイドを開発したのは高円寺であり、その自責の念からメイドロイドの製造に着手したのだという。
 命令されるままに誰とでもセックスするホストロイドとは違い、マリアには自分の意思で人を愛する、恋愛回路が未完成ながら搭載されている。回路を起動させ完成させられるかどうかは章太郎にかかっている、と高円寺のフォログラムは言った。回路の完成とプロフェッサーの野望を阻止することを訴えて、映像は消えた。
 途方に暮れながらもマリアの修理をする章太郎は、メイドロイドは再起動で過去の記憶をなくしてしまうと知って残念に思う。ほんの数日のことだったが、マリアとの生活は彼にとってとても楽しいものだったのだ。
 「クリトリスイッチ」でマリアを再起動させる章太郎。と、研究室のドアが乱暴に開き、三体のホストロイドたちが飛び込んできた。ジョージとまったく同じイケメンに不敵な笑みを浮かべながらいっせいにチャックを下ろすと、ドリル機能つきメカチンポがうなりをあげる。マリアを内側から破壊するつもりなのだ。さらにどこからかプロフェッサーの吹く笛の音が聞こえてくる。ホストロイドにセックス指令を出す超音波笛だ。悪魔の笛は不完全な恋愛回路にも影響を与え、マリアは官能モード全開で、ドリル機能つきメカチンポを受け入れようとしてしまう。
「マリアは僕が守る! 」レーザー工具を放電させて、章太郎が突進した。もうやけくそだったが、メカチンポが避雷針の役目を果たして落雷、三体のホストロイドは大爆発を起こした。章太郎はマリアを守ったのだ。
 お姫様抱っこでマリアをアパートに連れて帰った章太郎だったが、部屋はドジッ娘マリアが掃除しようとして逆に散らかした、そのままになっていた。そして彼女はそのことを覚えていた。再起動で初期化されて全部記憶をなくしたはずではなかったのか? 
「マリアがご主人様を忘れるはずがありません」そう言って浮かべる微笑みはとても可愛かった。取説と違うのは、恋愛回路が起動し始めているのだろうか。章太郎は込み上げる想いにマリアを抱きしめるのだった。
 ふたりはセックスして章太郎は初体験を果たした。だがマリアはアンドロイドであり、フィギュアであり、ラブドールである。あるいは世間的にはこれはただのオナニーであり童貞を卒業したことにはならないのかもしれない。
 でもそんなことはどうでもよかった。そう思えるほどの素晴らしいセックスだった。
 章太郎とマリアは手を取り合って、プロフェッサー植草のアジトに踏み込んだ。そこで語られた彼の野望とは、女どもに貢がせてホストロイドが集めた資金で「価値観転倒電波」を開発することだった。そしてそれは完成し、今まさに始動スイッチが押されようとしていた。東京タワーから世界に発信される毒電波は、ことごとくこの世の顔面価値基準を引っくり返す。つまり明日からはブサメン、キモメンがモテるようになる。イケメンの価値が地に堕ちるのだ。
「なんて素晴らしい発明なんだ…」章太郎は思わずつぶやいてしまう。三重苦に悩み続けた日々が過去のものとなるではないか。なんなら同志になるか、と持ちかけられて真剣に悩んでしまう章太郎だった。
「ご主人様いけません! 」戦意を失う章太郎を押しのけてプロフェッサーに飛びかかろうとするマリアの前に、ホストロイド助教授ジョージのバージョンアップ改修版が立ちふさがる。ゴールドフィンガー改めプラチナビームの威力は、フリフリエプロンシールドでも防げずマリアは弾き飛ばされる。
 駆け寄る章太郎にマリアが言った。「価値観転倒なんかしなくてもマリアはご主人様のメイドです。それだけじゃご不満ですか?」
 そうだった。僕にはマリアがいるんだ。今さらモテるモテないを気にすることはないじゃないか。ラブドールとの恋愛を馬鹿にする世間などほっておけばいいじゃないか。
 章太郎は想いを込めて、マリアに告げた。「愛してる」と。それがキィワードだった。
 マリアの人造の瞳に涙が浮かび、恋愛回路は完全に起動した。
 フルパワーラブラブアタック。愛のオーラがアジトを満たし、バージョンアップホストロイドと価値観転倒システムはその場で爆発崩壊した。
 愛こそ力。真実の愛を見つけたメイドロイドは向かうところ敵なしなのだ。
 数日後の大学キャンパス。ガン無視で通り過ぎるかつての片想いの相手である綾香に、章太郎の胸が痛むことはすでにない。そう、今の彼には、おりしも弁当を抱えて駆けてくるマリアがいるのだから。
 たとえその弁当が、消し炭みたいな黒コゲの魚だったとしてもだ。