痴漢電車
女が牝になる時
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◆スタッフ◆製作:ネクストワン/提供:Xces Film/監督・脚本:工藤雅典/撮影:井上明夫/照明:小川満/編集:田辺賢治/音楽:たつのすけ/助監督:高田宝重/スチール:スタジオ摩耶/録音:シネキャビン/現像:東映ラボテック
◆キャスト◆藍原玲子:鈴木杏里/藍原清香:藍山みなみ/小宮伸子:倖田李梨/内藤ミキオ:柳之内たくま/石井健太郎:なかみつせいじ/坂口淳之介:清水大敬
◆解説◆ これから夏にかけて薄着になる季節。女性の肌が露出し男達は目のやり場に困る。特に、満員電車中は肌と肌がふれ合い、否応無しに股間が刺激される。生理現象は中々抑えきれず、ギンギンの息子は行き場を失い、悶々した中、電車に揺られる男達。が、間違っても女性のお尻や、胸などを触ってはいけません。犯罪です。しかし、この悶々とした感情を何処にぶつけるか?そんなアナタ!今回の痴漢電車を観てスッキリとヌキましょう!
主演は鈴木杏里。スレンダーな彼女が、電車の中で喘ぎまくります。『こんなに興奮したのは、久しぶり…』と彼女自身も満足の一本!
監督は工藤雅典でお贈り致します。
◆ストーリー◆ 夜の通勤電車の中。可憐なタイトスカートの美女・藍原清香(20)が、ドアの側に立っている。清香を少し離れた位置から見つめる若いサラリーマン・内藤ミキオ(22)。最近ミキオは、時々同じ車両に乗る清香を意識し始めた。
一人の男が清香に近づいていく。男の手が清香の尻に軽く触れる。男は坂口淳之介(48)。呆気にとられるミキオ。まばらな乗客たちは、見て見ぬふりをしている。さらに、坂口の手は清香のスカートの中へ入り込んでいく。清香の表情が歪むが、抵抗できない。ミキオの中に怒りが込み上げて来る。「ヤメろ!」と叫んで走り寄り、坂口の腕をねじり上げる。車内の視線がミキオたちに集まる。顔を背ける清香。その時、電車が駅に着き扉が開く。逃げるように車外に走り去る清香。驚くミキオの顔に肘打ちを喰わせ、坂口も逃げさる。車内に取り残されるミキオ。「ヤレヤレ」とため息をつく。
住宅地。線路沿いの道。踏切を渡ってミキオが来る。ミキオのアパートの玄関先に、大きなトランクに腰掛け、女がたたずんでいる。豹柄のコートを羽織ったゴージャスな女。ミキオに気づき振り返る。ミキオの叔母の藍原玲子(30)。ミキオの母親は後妻なので、玲子とミキオは血がつながっていない。
ミキオの部屋。ミキオがドアを開けると、玲子はミキオより先にドンドン部屋の中に入っていく。「男の一人暮らしにしては、片付いてるね。彼女いるの?」「いないよ!それより、どうしたの急に。旦那さんと喧嘩でもしたの?」「あら、姉さんに聞いてない?別れたの、ひと月前…」「エッ、離婚!?初めて聞いた…」「…そう」「どうして、離婚なんか?」「うーん。長い話になるから、そのうちにね」ふと、ミキオの口元の傷に目を止める玲子。ミキオの顔に自分の顔を近づける玲子。玲子の唇が自分の唇に異様に近づき、ドギマギするミキオ。「いやだ、唇が切れて血が出てる」ミキオは一瞬、叔母の舌が生き物のように自分の傷をなめ回す様を想像する。
ミキオの会社。ミキオは人事部に勤務している。応接室で社員の小宮伸子(38)と向き合う、ミキオと上司の石井健太郎(38)。派遣社員を全て解雇したミキオの会社は、リストラの矛先を正社員に向けている。石井は伸子がいかに会社に貢献していないかを糾弾し、自主退職に追い込もうとしている。涙をこらえ、拳を握って耐えている伸子。それを沈痛な表情で見ているミキオ。
電車の中。酒に酔ってふらふらのミキオが通路を歩いて来る。車両の片隅に、清香と玲子の尻を触った男。大胆に清香のスカートをまくり上げ、尻を撫で回す男。「やめろ!」頭に血が上ったミキオは二人に駆け寄り、坂口の腕をねじり上げる。逃げ去る清香。男も逃げようとするが、ミキオは離さない。ミキオ「次の駅で降りるんだ!」観念したように、力なくうなずく男。
駅の裏手。二人の後方を電車が通り過ぎていく。男をボコボコに殴るミキオ。
男の背広のポケットをさぐるミキオ。出てきたのは「大学教授の坂口淳之介」という身分証明書。「抵抗しない女にあんな酷いことしやがって!」「君は知らないのか?あの女は痴女なんだよ!」「痴女?いい加減な事を言うな!」「君も見ただろう。おの女が尻を触られている時の表情を!あの女は痴漢される事を喜んでいるんだよ!」ミキオの脳裏に、清香の表情がフラッシュバックする。
ミキオの部屋。「おかえり」と玲子がミキオを迎え入れる。「あら、酔ってるの?」玲子の姿に、坂口に体をいじり回される清香の姿がダブる。勃起する自分のイチモツを押さえるミキオ。自分の猛りを押さえられず、狂ったように、玲子にむしゃぶりついていく。スカートをまくり上げ、尻を、そして体中を愛撫してゆくミキオ。快感に淫らにもだえる玲子。玲子の姿がミキオには清香に見えている。床に玲子を押し倒し、犯してゆくミキオ。
翌朝。ベッドで目を覚ますミキオ。隣には全裸の玲子がスヤスヤと寝ている。
驚いて飛び起きるミキオ。自分も全裸であることに気づく。「やっちまった!」
電車の中で人を探すように歩き、一つため息をつく玲子。その時、背後から玲子の尻を触る男の手。触っていたのは、大学教授の坂口。しかし、その隣にいたのは、ミキオの上司の石井。玲子、振り返り、石井の腕をつかむ。素早く、逃げ去る坂口。「なにするのよ、すけべオヤジ!」「なに?俺は何もしてないぞ!」「私のお尻、触ったじゃない!」「話にならん!」その場を去ろうとする石井。その近くにいたのは伸子。「私は、見たわ!その男が痴漢よ!」騒ぎ出す伸子に、周りの客も呼応する。客たちに取り押さえられる石井。
通勤途中のミキオ、携帯が鳴る。携帯をとるミキオ。「えっ?痴漢にあった?今、警察?」
警察の廊下。「玲子さん!」ミキオが駆けつけると、玲子と一緒に伸子がいる。その組み合わせに驚くミキオ。伸子もミキオに驚くが、「自業自得よ」とつぶやく。ミキオ「えっ?」その時、刑事に腕を掴まれた石井が歩いてくる。「俺はやってない!」と叫んでいる石井。ミキオ「石井さん!?」呆然とするミキオ。石井、玲子と伸子と一緒のミキオを見て、「内藤、お前もこいつらとグルか?俺は、はめられたんだ!」と叫びながら留置場に連れて行かれる石井。ミキオ、呆然とする。
駅の前。夕暮れになっている。ミキオと玲子が歩いて来る。「どうして、こんな事に?」「私は、痴漢されただけ。そしたら、あの小宮という女が騒ぎ出して…」「小宮さんが…」「あっ!」立ち止まる玲子。その視線の先に、坂口に手を引かれて、清香らしき女が物陰に引き込まれる。走り出す、玲子。ミキオも後を追う。
物陰。坂口に乱暴されている清香。坂口に飛びかかるミキオ。地面に倒された清香を玲子が助け起こす。坂口はミキオに殴られ、ホウホウの体で逃げてゆく。自分を見られまいとして、逃げ出す清香。玲子が駆け出し清香をつかまえる。玲子「清香!」清香「…お姉さん」見つめ合う、玲子と清香。ミキオ「お姉さん???」
ミキオの部屋。スカートをまくり、清香の膝を手当てする玲子。見つめるミキオ。「玲子さんが、お姉さんということは、もしかして?」「そう、清香は私の旦那の藍原康治の妹なの」「玲子さんが嫁いだ先のことって全然知らなかった」「私の結婚って、親に反対されて勘当同然だったから。あなたには、誰も話してなくて当然よ」清香を見る、ミキオ。清香はうつむいて何も話さない。
いたたまれなくなったミキオ、「俺、酒でも買って来る。つもる話もありそうだから、二人でゆっくり話しててよ」
酒の入ったコンビニの袋を下げて、ミキオが部屋に戻って来る。ドアを開ける、ミキオ。二人がいない。「あれ?玲子さん。清香さん」二人を捜すミキオ、奥の部屋の扉を開けると半裸になり濃厚にからむ玲子と清香の女体。腰を抜かす、ミキオ。
翌日。腑抜けのようになり、部屋でボーツとしているミキオ。玲子は外出していないようだ。清香が、ミキオに声をかける。「大丈夫、会社にも行かないで?」「初めて君の声を聞いた気がするよ」「…そう」「今の会社に俺は向いてない。辞めようかと思ってる。だから、心配ない。君こそ、大丈夫?」「私は、ただのお茶汲みみたいなものだから、休んでも誰も困らないわ」「そんな事はないだろうけど…。でも、会社に行ってる場合じゃないか…」「見たの?昨夜の私たち…」「…」「ちよっと外に出ようか」ミキオの手を引き、立ち上がる清香。
丘の上の公園。芝生に腰掛ける清香とミキオ。「あなたが、見たように私と玲子さんは体の関係があるの。兄が玲子さんと結婚するずっと前から…。もっとも、玲子さんはバイセクシャルだけど…。あれ、知ってたのかな?」「そ、それは」「いいの。別に責めてる訳じゃない。私と兄は、もらい子でね。本当の親は知らないの」「苦労したんだね…」「苦労?そんなこと簡単に言わないで!」夕日が沈んでいく。
翌日。ミキオの会社。辞表を出しに行ったミキオ。上司の石井が痴漢の疑いをもたれたため、解雇された事を知る。一方、小宮伸子の解雇は撤回されていた。複雑な気持ちのミキオ。
行き場を失い、公園に佇む石井。一人のホームレスに襲われる。それは、かつて自分が解雇を言い渡した男だった。カバンごと金を奪われる石井。「どうして俺が…」石井は悔し涙に暮れる。
翌日。玲子は清香とミキオを誘って街に出た。着飾って繁華街を散歩する玲子と清香、そしてミキオ。ミキオには清香と玲子の姿が眩しい。
街を歩く玲子、清香、ミキオ。その姿を物陰から石井が見ている。石井の表情が憎悪に燃える。
駅の近く。数人のホームレスを集め、金を渡している石井。何事かを依頼している。その目は、狂気を帯びている。電車の中。清香と玲子、二人しか乗っていない車両。隣の車両に乗っているミキオ。二人のいる車両に人が行かないよう番をしている。二人の声が漏れてくる。静かに目を閉じるミキオ。その時、背後から突然羽交い締めにされ、口を塞がれるミキオ。その時、数名のホームレスを連れて石井が乗り込んで来る。驚く、玲子と清香。「俺は、痴漢などしていない。それなのに、仕事も、家族も、地位も名誉も全てを失った。こんな事があっていいのか?」怖くて声が出ない、玲子と清香。「俺の人生は終った。どうせ濡れ衣が晴れないなら、最期に思いっきり楽しませてもらうぞ。痴漢ってやつをな!」玲子「あなた、狂ってる!」石井「ああ、狂った!狂わせたのはお前だ!」
一斉に二人に襲いかかる石井とホームレスたち。必死に抵抗する玲子と清香だが、無惨に犯されていく。
警察の廊下。毛布にくるまって座っている玲子と清香。石井が警官に引き立てられていく。玲子と清香に気づき、悪態をつく石井。その姿は完全に狂っている。
電車の中。ドアの側に立っている清香。明るい光が清香を包んでいる。ふと、窓外を見る。誰かが自分の名を呼んだ気がした。しかし、窓外には都会の風景が流れて行くだけ。微笑む清香。