男漁りの透け襦袢
仏前で…して。
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◆スタッフ◆製作:フィルムハウス/提供:Xces Film/監督:坂本太/脚本:有馬千世/撮影:創優和/照明:小野弘文/編集:金子尚樹/録音:シネキャビン/助監督:城定秀夫/スチール:本田あきら/現像:東映化学
◆キャスト◆宝生冴子:時任歩/宝生尚美:林由美香/日下部理絵:里見瑶子/堤邦彦:千葉誠樹/宝生博之:岡田智宏/黒部和行:坂入正三
◆解説◆ 浴衣の中には秘密がある。普段は浴衣の中には下着はつけないが、今回の未亡人は真っ黒い下着を身につけて、スケベの限りをとことん追い求める。どスケベ女!
三味線の音に合わせて日本舞踊を踊る冴子に時任歩。エクセスでは「平成版・阿部定 あんたが、欲しい」、「美姉妹スチュワーデス 名器くらべ」、「いじめる女たち 快感・絶頂・昇天」に続き四作品目。現役のピンク映画女優の中では実力ナンバーワンの彼女は、劇中でもお色気ムンムンで「最近俺のムスコも元気がなくて…」と言っているおじさん達も、この作品を見ればアソコはビンビン間違い無し!彼女曰く「私の夢は、疲れたおじ様達をたっぷり慰めてあげることなの…」とサービス満点。今回の作品であなたも時任歩ファンになっちゃうかも?
脇を固める女優陣も、冴子のお弟子さんに里見瑶子。そして尚美に林由美香と実力派ぞろいで作品に華を添えた。
監督は坂本太。体も作品も一回り大きくなってエクセスで奮闘中。
◆ストーリー◆ 日本舞踊宝生流第二十六代宗家家元夫人である宝生冴子は、夫を一年前に亡くし二十八才という若さで未亡人となってしまう。つまり、この先。一生を宝生流宗家の為にだけに生きなければならないという、熟れきった女盛りの冴子にとっては死刑の宣告に近い物だった。宝生流二百五十年の伝統の為とその運命を心では受け止めながらも、家元代理としての窮屈な生活は、独り身の冴子に切なき疼きを感じさせていたが、宝生流宗家家元代理としての体面がその捌け口を外に求めることを拒ませ空しい自慰が唯一の慰めとなっていた。しかし、そんな痴態を同居する義弟の宝生博之に覗き見られ、その瞳に禁断の欲望が浮かんでいることを冴子は知る由もなかった。
ある日、冴子は出稽古の帰りに昔の恋人だった堤邦彦の姿を偶然見かけ、懐かしさと好奇心からその後を付け邦彦がクラブを経営していることを知る。自ら別れを告げたことへの後ろめたさを感じながらも思わず声を掛ける冴子。驚く邦彦とぎこちない会話を交わす冴子は、カウンターの奥のボトルラックにひっそりと飾られている昔の自分の写真を見つけ邦彦の自分への変わらぬ思いを知り、心と肉体が切なく波立つのを感じる。
その夜、押さえきれない疼きに宝生流家元夫人というしがらみを捨て去り、黒い下着に身を包み邦彦を再び訪ねる冴子。数年ぶりにある種の開放感を感じる冴子は、ある隠し続けた思いを邦彦に告げる。それは、力ずくで体を奪われ宝生家の家元夫人にならざるを得なかったつらい過去。
邦彦は、その告白を黙って聞き、何も言わず冴子の頬を伝う涙を拭う。やがて、二人の押さえつけた感情が堰を切ったように溢れだし唇を貪り合い、一つに溶け合う。邦彦の腕の中、上り詰めながらも冴子は宝生家との別れを感じていた。
そんな時、宝生流黒部にようだてて貰っていた借金の返済を求められる。
突然の事に驚く冴子に黒部は、さりげなく時期家元継承者の問題を持ち出す。継承者問題は、冴子を悩ますもう一つの問題なのだ。冴子と宗家家元の間に子供はおらず、血筋から行けば現在冴子と同居する義弟の博之なのだが博之は何故か家元継承をかたくなに拒んでいた。更に、もう一人は宗家家元の姉で宗家から破門され新宝生流なる流派を興し、宗家の門下生を引き抜き勢力を伸ばしている宝生尚美である。
冴子は、博之と交際している門下生の日下部理絵を結婚させ家元を譲りそれをけじめに宝生家から出ていこうと考えていたのだが、博之が家元継承を拒んでいることを知る黒部は、博之が首を縦に振らなければ後援会の総意として尚美に家元を譲ることを冴子に迫る。尚美は、冴子の計略で宗家から破門させ邪推し、その肉体と継承者の権利を餌に黒部を手なずけて冴子を無一文で宝生家から追い出そうとしていたのだ。
冴子は、尚美に家元を離れれば宝生流二百五十年の伝統が終幕を迎えることを感じ、博之の説得のための猶予と引き替えに黒部にその白い肌を汚される。
家元継承を拒む理由を問いただす冴子だが、博之はかたくなに口を閉ざす。
しかし、その理由は理絵の口から冴子に告げられる。博之は、冴子に義理の姉以上の感情を持ち、家元を継ぎ理絵と結婚することで冴子が宝生家から出ていくことを感じ心が揺れているというのだ。
全ての歯車が自分の意志の弱さから狂いだしていることを思い知らされる冴子は、再び黒い下着に身を包み、全てを精算するために博之にその体を開いていく。やがて、自らの思いの全てを冴子の中に放ち呻く博之に宝生家から出ていくことを告げる冴子。また…縛り付けたら兄貴と一緒だなと、呟き理絵と結婚して家元を継ぐことを告げる博之。
稽古場で、無心に踊りを舞う冴子の姿。その表情には偽り一つ見えない。