したがり家政婦
尽くします
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◆スタッフ◆製作:サカエ企画・提供:Xces Film・脚本:岡輝男・監督:新田栄・撮影:千葉幸男・照明:高原賢一・録音:シネキャビン・編集:酒井正次・音楽:レインボーサウンド・助監督:加藤義一・スチール:佐藤初太郎・現像:東映ラボテック
◆キャスト◆金井ひとみ:柿沼ゆう子・宮本毬子:藤谷あやか・関谷亮子:風間今日子・残間俊夫:下川オサム・池田努:樹かず・宮本満彦:久須美欽一
◆解 説◆
このところスタイル抜群が持てはやされてる御時世だけに、グラビアもメディアも全てがその傾向に偏りがちだが、どこか作られた人間の見本でも見ているかのようで味気無い。アナウンサーに色気は必要無いが、我らがピンク映画だけに身体のそこから滲み出てくる色気が必要とされる訳で、出そうと思ってもそう簡単に出せるわけではなく、自然と出てくるものだ。スタイル抜群とまではいかないが、小柄なボディーをフルに活用、その洗練された身体と顔立ちは決してグラビアのアイドルにもひけを取る事無く我々の感覚を充分に楽しませてくれる。どこか親近感有り見ている観客をその世界に引きずり込むパワーの持ち主、主演の柿沼ゆう子。一瞬自分がゆう子ちゃんにフェラして貰っているような錯覚に陥る気持ちのいい映画だ。自分の舌を雑巾替わりに使う姿は健気でいじらしく。掃除機がピッタリはまり裸の身体に巻き付けている姿もエロチック。『私ご主人様に奉仕する事で感じるの』と言いながらその挑発的なまなざしはそそられる。まさに彼女のために作られた家性婦役と言っても過言ではないだろう。さらに金持ちの若奥様のペットとして飼い慣らされていく淫乱家性婦を見事に演出させたのは、普通では考えられないことも何でもありエクセス御馴染み新田栄監督。リアルに過激に仕上げている。
◆ストーリー◆
満彦と毯子が絡み合っている。満彦は、年の離れた妻を喜ばせようとねちっこく愛撫を繰り返す。だが、肝心のところで満彦の逸物はどうしても立たない。自信をなくす満彦に毯子は、「あなた、心配しないで。ゆっくり治していきましょ」と優しく語りかけるのであった。
「大変だろうから、家政婦さんでも雇いなさい」満彦がそう言って出した家政婦募集の広告を見たひとみは、面接を受ける為に宮本家に向かっていた。作家志望の俊夫はなんとかエロ小説で食扶持をつないでるだけで殆ど稼ぎらしい稼ぎもなく、勿論結婚資金はおろか生活資金だってない状態。そこで、ひとみはふたりの結婚及び生活資金の足しになればと比較的割のいい家政婦の仕事を探していたのだが、ラッキーなことに有名作家の宮本満彦の家の広告を発見したのだ。お金にもなるし、何より作家の家で働けば俊夫の為にもなるかもしれない。
面接でひとみと会った毯子は、採用を即決した。「しっかりやってくれそうな、よさそうな人だわ」一方、ひとみは自分より若い女が豪華な暮らしをしていることにちょっぴり悔しい思いもしたが、そんなこと言っていられない。宮本家で働くことになる。採用が決まったひとみは、住み込みで家事全般を任せられるも、満彦の創作活動だけは邪魔しないで欲しいと強く言われる。
翌日から、ひとみの家政婦生活が始まった。掃除や洗濯、買い物に炊事をこなしながら、しかしひとみは興味のアンテナを最大限に広げていた。「何か俊夫の為になることを吸収して帰らなくっちゃ」そんな彼女の触覚をまず刺激したのが、毯子の行動だった。彼女は若いながらも貞淑な妻に見えて、でも実はやっぱり昼日中から編集者(単なる愛人にしか見えない)と名乗る池田とプールサイドでいちゃついたり、と陰ではヤングパワーを炸裂させていた。
そんなある日、ひとみは毯子の池田との情事を目撃してしまう。白昼堂々と、あられもない姿でお互いの身体を貪り合う二人の姿に、ひとみの視線は釘づけ状態。若いくせにやることは結構一人前で、しかもバイブやなんやらを使いまくって、「そんなプレイ、俊夫にしてもらったことない!」と羨ましく思ってしまうのであった。
その夜、ひとみは俊夫へ電話を入れた。「やっぱりあるのよ、奥様と若きツバメの情事って。ね、これって小説のネタにならない?」俊夫は、ひとみの話を聞きながら、しっかりメモを取っていた。有名作家の隠された生活。スキャンダラスな暴露小説が書けるかもしれない。ふたりは、興奮しながら深夜まで話し続けた。だがその時、ひとみは自室の壁にかかった面の目が動いたことには気づくよしもなかった。(壁の中にいた毯子は、リダイアルで俊夫の番号をつきとめる、そして一本の電話)(亮子へ)かけた。
エロ小説を書き上げた俊夫は、別に書いていた長編小説を持って出版社を訪れていた。「あの、こっちの方も読んで戴けないでしょうか。もし、面白いと思って下さったら、どなたか文芸部の方、紹介して下さい」しかし、編集部の反応は冷たかった。「こういうのはちょっとね」どこも同じだった。がっかりして帰路についた俊夫は、出版社の近くでひょんなことから編集者・関谷亮子と知り合った。俊夫が作家志望だと聞いて興味を示してくれた彼女は、その場で俊夫の小説を読んでくれた。しかも、面白いと言ってくれたのたのだ。「これ、私に出版させてくれる?」願ってもないチャンスだ。俊夫は、この機会を絶対に逃すものかと心に誓った。
それから数日後、毯子がクラス会へ出かけた。家には、ひとみと滅多に姿を現せない満彦のふたりきりだ。「この機会に、家の中をいろいろ調べてやれ」そう思ったひとみは、毯子の部屋などを掃除するふりして探った。と、クローゼットからバイブのつまったボックスが出てきた。「こんなの一度使ってみたかったのよね」自室へそれを持ち帰った彼女は、オナニーを始めてしまう。「ここ何日もご無沙汰で、熟れた体が痒いてしかたなかったの」バイブを入れたり出したり激しく悶えるひとみは、しかしふと視線を感じてその手を緩めた。それは、クラス会に出かけた筈の毬子のものだった。「奥様!」驚いたひとみは、ひたすら謝るしか術を見つけられなかった。そんなひとみを見て、意地悪そうな笑みを浮かべる毯子。「あなたがこの家の中を嗅ぎ回っていることも、池田とのセックスを覗き見していたことも私は全部知っていたわ。そんなにいろいろ知りたかったら、もっと教えて上げてもいいのよ」毬子の目は蛙を睨む蛇のそれのようだった。蛙になったひとみの服を剥がし、毯子はひとみの股間にバイブを挿入した。これまで一度も体験したことのない感覚に襲われたひとみは、毯子のテクニックも手伝って何度も絶頂に達した。と、その時、壁にかかかっていたお面の目が動いた。
その頃、俊夫は亮子とのセックスに溺れていた。使いこまれた亮子のアソコは、俊夫のペニスに吸いついて何度も固くさせた。しかし、ひとみのことも気になる。「今頃、どうしているだろうか」 だが、亮子は恋人のことを思う俊夫の心中を見すかすように、「もしあなたが、心から作家になりたいと願うなら、今思っている女の人のこと、忘れられるかしら?」一瞬、答えに窮する俊夫であったが、返事は決まっていた。
夜中。眠る俊夫の横で、亮子は1本の電話をかけた。電話の相手は、毯子だった。亮子は毯子が頼んだ女だったのである。「毯子さん?男の方は万事oKよ。作家デビューの話をちらつかせたら、二つ返事だったわ。現金なものね。それにしても才能のない男よ。つまらないものを読ませられて大変だったわ」毯子は亮子からの報告を受けると、ひとみを満彦の部屋へ連れていった。そこには、初めて会うこの家の主人が、裸に近い恰好でふたりを待っていた。「君のお陰で、ほら、わしの肉棒がこんなに立派に蘇ったよ。いろいろと見せてくれてありがとう。今度は、わしが君たちを喜ばせてあげよう」年老いた満彦は、そう言いながら裸のひとみに絡みついてきた。ひとみは抵抗を試みるが、満彦と毯子のふたりの熟達者にかかってはそれも1分と持たなかった。「ひとみさん。私たちは、あなたのような人が欲しかったの。セックスに従順で魅力的な人が。お陰で、主人のインポも治ったみたいだし、これからも私たちの愛の為にこの若い体を提供してね」
満彦と毯子によって性の虜にさせられたひとみは、その後も宮本家でふたりのセックス玩具としての生活を続けた。世間的には彼女の存在は蒸発の2文字で葬り去られ、俊夫は売子から文壇デビューを約束して貰う代わりにひとみの存在を記憶から消していた。その後宮本先生はベストセラーを出し続けたが、俊夫が直木賞を受賞したというニュースはきいていない。