花と蛇
白衣縄奴隷
◆スタッフ◆製作・配給:(株)にっかつ・プロデューサー:奥村幸士・原作:団鬼六・脚本:掛礼昌裕・監督:西村昭五郎・撮影:野田悌男・照明:三荻国明・録音:伊藤晴康・美術:渡辺平八郎・編集:奥原茂・選曲:山川繁・助監督:明石知幸・制作担:当:渡辺康治・スチール:竹内健二
◆キャスト◆山際美貴:真咲乱・竹内直江:小川美那子・伊藤希代子:江崎和代・大庭秀紀:野上正義
◆解 説◆
大好評、団鬼六SMポルノの最新作である本篇は六十一年春に公開された「花と蛇ー飼育篇」に続いてこのシリーズ四度目の映画化である。日本的なSM美学を徹底的に追求する団鬼六独自の世界が、今作品では歯科の病室と蔵の中での異様な調教シーンとしてあらわされている。
主演は六十年暮、「美教師・地獄責め」でロマンポルノデビューを果した真咲乱。二作目にあたる本篇でも一○○○ミリバストにくい込むロープの痛々しさを大迫力で熱演する四代目SMの女王である。また共演者に、にっかつローテーションの柱である小川美那子。さらに妖艶なエロチシズムを全身で表現するベテラン江崎和代が出演しているのも話題である。
監督は大御所、西村昭五郎。前作「蛇と鞭」に続いて連続SM担当です。
◆ストーリー◆
山際美貴(26)OLは組みひもの師匠である美貌の中年婦人・伊藤希代子(32)の大層なお気入りである。その日も、美貴はお稽古の途中に突然歯が痛み出したため、わざわざ希代子に付きそってもらい、希代子が行きつけの大庭歯科へと急いでいた。
歯科医・大庭は看護婦の竹内直江(26)一人を使って病院を経営している。三十八にもなるがいまだ独身だ。彼のなかなか端正な顔立ちとその長身から考えると少々不思議ではある。
希代子に紹介されて以来美貴が大庭病院に通うのはその夜が二度目である。その日の昼間、美貴の会社に大庭から直接電話があり、予約時間を午後八時にずらせてくれとのことだった。歯の治療には少々遅い時間指定に、美貴は多少の疑問はおぼえたものの、希代子の紹介ということもあり、大庭歯科に一人出かけていった。これ程までに美貴が希代子を信頼しているのは、ただ単に希代子が美貴の師匠であったためばかりではもちろんない。二人にはそれ以上の互いの性欲を満たしあう相手としての信頼関係が通っていたのだ。大庭の診察室に入った美貴は、言われるままに治療椅子に横になる。やがて美貴は深い眠りにおちて反応しなくなる。看護婦の直江が美貴の鼻と口の上にエーテルを浸み込ませたガーゼを置いたからだ。やがて美貴が完全に意識を失ったことを確認した直江は、もう何度も繰り返したであろうこの企みに、すっかりなれた手つきで美貴の両手両脚を椅子に固定する。大庭はぴくりとも動かない美貴を全裸に剥ぐとカメラを取り出しシャッターをきる。そして上から下へと除々に舌を這わせ、ついにそれは下半身の深い茂みの間をむさぼり始めた。それをじっと見ていた直江も強烈に欲情し、大庭へ強引にむしゃぶりつくと二人はそのまま激しく求めあうのだった。小一時間して、やがて意識を取り戻した美貴は、その夜自分がうけた治療のことなど少しも知らずに大庭の病院をあとにする。
数日後、大庭の診察室を再び訪れた美貴は、歯の治療もうまく進んで、大庭のことなど少しも疑ってはいない。治療後に、大庭にすすめられるまま、彼の自室へと案内される。そこは鬱蒼とした日本庭園の奥にある古い蔵を改築した洋間であった。大庭はそこで予定どおり美貴の体に襲いかかる。なんとか逃れようともがく美貴も、大庭にこのまえの夜に撮られた自分の恥態を見せられた瞬間反抗できなくなってしまった。大庭は、希代子と美貴が作った色彩やかな組みひもを数本取り出すと、手ぎわよくそれを美貴の乳房にくい込ませて縛りあげ、一気に凌辱してしまった。直江はその日大庭に命じられて買物に出されていたのだが、やがて戻って来て美貴と大庭の顔色を見た時すべてを察してしまう。激しい嫉妬を燃え上がられた直江は、知らぬ顔で部屋を出た大庭にあてつけるように美貴を縛りつけると、帯締めや、しごきで力まかせに美貴を打った。それを陰から覗いていた大庭もいつのまにか出て来て、直江と一緒になって美貴を責める。二人は美貴の両股を開くとそのままロッキングチェアに縛りつけ、尻にロウソクをつきたてたまま全身にロウを落していった。美貴の唇からは小さな叫びがもれ、股間からは愛液がしたたり落ちる。
その夜、ボロボロになって自室に戻った美貴はそこで待っていた希代子に嫉妬の詰問を受ける。ところが美貴の体を見た希代子は逆に茫然として言葉を失なう。やがて希代子は、ミミズ脹れになった美貴の傷あとやロウのあとを一つ一つ優しく舐めてやるのだった。
数日後、大庭の命令で直江が再び美貴をむかえにやって来た。美貴にはもう大庭に抵抗するだけの気力は残っていなかった。いわれるがまま車に乗せられ、病院につれられた美貴は、さっそく大庭に縛りあげられその責めに耐えねばならなかった。やがて責めが本格的になりはじめた頃、希代子が突然美貴を探して病院にやって来た。希代子は自分の思ったとうり、そこで美貴を発見し一緒に連れて帰ろうとするのだが、逆に直江と大庭に縛りあげられ、美貴とともに責めをおうはめになってしまった。二人はそこで、ムチやロウソク責めはもとより、浣腸責め、水責め、そしてレズを強要されての羞恥責めにまで追い込まれてしまうのだが、その美貴の苦痛の表情が痛々しければ痛々しいほど大庭の心は直江から離れ美貴にのめり込んでゆくのだった。そしてとうとう直江の嫉妬は極限に達するのだが………。