温泉宿の名物女将
赤襦袢の匂い
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◆スタッフ◆製作:(有)サカエ企画・提供:Xces Film・脚本:夏季忍・「和風旅館 若女将の赤襦袢」より・監督:新田栄・撮影:千葉幸男・照明:高原賢一・録音:シネキャビン・音楽:レインボーサウンド・編集:酒井正次・助監督:加藤義一・スチール:佐藤初太郎
◆キャスト◆叶涼子/叶菊江:柿沼ゆう子・野瀬珠子:林由美香・マリリン:杉原みさお・桜井清次:樹かず・岩田:久須美欽一・山辺:田島謙一
◆解 説◆
色にはいろいろな意味が込められている。私達の潜在意識に働きかけ、その日の気分で色の使い分けもする。ラッキーカラーという言葉もあるように、色のもたらす効果を願い、その色を身に付けたりもする。また色は、心の言葉を表現しているものでもある。
男達を刺激する甘く明るい色、その中でも情熱と肉体派の愛を象徴する赤は、官能を刺激する色とも言われている。その証拠ともあろうことに、赤い唇、赤い爪、赤いハイヒールなどは昔から肉体派女優から切り離す事ができない。遊廓の赤い布団や着物なども、男を刺激する色として使用されていたに違いない。
そして、セクシー派の色とくればやはり、一番に脳裏に浮かぶのが黒ではあるが、この色は逆に、今日は絶対ダメよと、お堅くガードを張っている色と言う事をお忘れなく!赤という色は今夜はあの男を手にいれるゾ、ヤッてやるゾというシグナルの色である。とにかく、今すぐにでも女とヤリたいのならば『赤』を身に付けた女を狙え!
今回の主演「熟牝(スケベ)家政婦 淫乱ぬるぬる」で、ご主人様のペットして飼い慣らされた(B90・W60・H85)のナイスなオンナ柿沼ゆう子が、肉体派の色である『赤』を身に付けて挑戦状を叩き付けた!お酒を飲んでするセックスが好きで、何をされても凄く感じるの…私の性感帯はチクビよ!と赤い襦袢に身を包まれた彼女のお色気にドップリとはまってしまう「温泉宿の名物女将 赤襦袢の匂い」新田栄監督もお薦めの作品だ。
監督は松岡邦彦でお贈り致します。
◆ストーリー◆
目にも眩しい新緑の中、渓流に沿って点在する温泉宿……。若女将涼子は、今は亡き母である大女将菊江の遺志を継ぎ、山門に佇む和風旅館「梅田屋」を切り盛りしていた。が、住民の反村を他所に、ダム建設の話がもち上がった。
辛い時、苦しい時、いつも思うのは「こんな時、父さんが居てくれたら…」母、菊江が亡くなる前に涼子に明かした。出生の秘密。涼子の父親、岩田時三は、毎年「梅田屋」を宿舎にしていた山岳部の学生であった。若い菊江と時三は恋仲となり、菊江は身ごもり、両親の反対を押し切り女児を出産した。名前は涼子と名付けられた。
そんな「梅田屋」には、先代の女将から仕える板前の桜井清次がいた。この「梅田屋」も五年後には、ダムの底に沈んでしまう運命にある。従業員も次々と辞め、残っているのは清次一人なのである。清次本人もどうしようか迷っている今日此の頃であった。
その頃、温泉街を見下ろす高台に、東京からダム工事の視察にやって来た建設会社社長岩田が、地元の下請業者山辺の説明を受けていた。自分が学生時代大変世話になった旅館の辺りがダム工事の中心部と聞き、岩田の顔が曇った。
同じ頃、「梅田屋」に泊まった野瀬珠子は、後から来る不倫相手の男を待っていた。時聞になっても現れない男に連絡を取る珠子。男は珠子に別離の言葉を言った。ショックから立ち直れない珠子は、睡眠薬を飲み、近くの滝から身を投げようとする。そこへ、女将から事情を聞いた清次がワゴン車で駆け付け、飛び込む寸前の所で珠子を助けたのであった。しかし、実直な清次も助けたのはいいが、その時めくれ上がったスカートの奥に思わず欲情…一発。
また同じ頃、吊橋を渡りながら、青春時代の思い出に耽る岩田。そこで偶然見かける涼子。「菊江さん!」二十七年前にタイムスリップしたかのような菊江と瓜二つの涼子の姿に……。涼子の顔が菊江に変わり、岩田も学生時代に戻っている。「菊江さん…」思わず抱きすくめる岩田に「いけません、いけません」と言いながらも、身体を開いて行く菊江であった。その時、車のクラクションの音に現実に引き戻された岩田。この和風旅館が、昔世話になった「梅田屋」と知り感慨に耽るのであった。
一方、滝から戻ってきた清次と珠子。事情を聞き、行くところも無い珠子に同情する涼子は、人手の無い折「梅田屋」で働くことを勧める。若女将の為ならと、せっせと働く珠子であった。
その夜、宿泊先のホテルで山辺から過剰接待を受ける岩田。ムードミュージックが流れ出し、妖しいライティングの中、出張ストリッパーのマリリンが、その豊満な肢体を晒す。夜の更けるのも忘れ、酒池肉林が繰り広げられる。
翌日、布団部屋で清次と珠子がお互いを激しく求め合っていた。その時、清次は珠子にもう五年後にはこの旅館もダムの底に沈んでしまう。いまの内に他の旅館に行こうと誘いをかける。しかし、命の恩人である女将の事を思うと…。
ダム建設反対派の旅館に、あの手この手と、嫌がらせを仕掛ける山辺。そして、涼子の肉体が山辺の餌食に。「梅田屋」を守る為、耐え忍ぶ涼子であった。それを涙を浮かべ歯を喰いしばり、襖越しに耐えている珠子「女将さん…」
ところが、山辺の卑劣な行為が岩田の知るところになった。「貴様はそんな事迄して、買収したいのか!」岩田は、思い出に残る「梅田屋」の為、亡くなった菊江さんの為にダム建設予定地変更を決定した。
ダム工事変更の知らせに喜んだのは涼子を始め、反対派の住民であった。勿論、珠子も。
一方、バス停ではボストンバックを下げた清次が時計を気にする。しかし、時間になっても珠子はやってこない。一人バスに乗り込む清次だった。
岩田から全てを聞いた涼子。もしや自分の本当の父なのか問い質す涼子にやさしく否定する岩田。「私は昔、世話になった大勢のお客の一人に過ぎません。菊江さんとは三日も話をしたことが無い。私の一方的な片思いでしたよ」と少し寂しそうに笑う岩田。「岩田さん!…今夜、母に会ってやって下さい…」すがる様な涼子の眼差しに圧倒される岩田。
その夜涼子の部屋では、母菊江の形見である赤い襦袢を身に着けた涼子が岩田と一つになっていくのであった。今宵限りの恋人たち…として。